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バンダ(Vanda)とは?基本の育て方

バンダ育て方

バンダ(Vanda)とは?

バンダは、ラン科(Orchidaceae)バンダ属に属する洋ランの一種で、オーストラリア北部や、熱帯アジア(インド、東南アジア、フィリピンなど)を原産とする着生ランです。

バンダの多くは温度と湿度の高い環境を好み、樹木などに根を絡ませ着生しています。

根は空気に触れていることを好み、通常は水苔などの植え込み材料を使わずに栽培します。

適した環境では一年を通して育ち続け、年に数回花を咲かせることもあります。
バンダの寿命は10年以上あり、ゆっくりと付き合える植物です。


バンダの花というと一般的には紫色が有名ですが、ピンク、赤、青、黄、茶、白、オレンジ、2色に分かれた色合いの花など、花色のバリエーションはとても豊富。
園芸店やホームセンターの園芸コーナーにごく限られた品種が並ぶことはありますが、最近は通販で様々な品種を入手しやすくなりました。

バンダとは、バンダの種類花色

バンダの特徴

学名Vanda spp. 
原産地オーストラリア北部、熱帯アジア(インド、東南アジア、フィリピンなど
生育タイプ着生ラン(樹木などに根を張る)
肉厚で硬く、帯状・筒状のものがある
鮮やかで色のバリエーションが豊富(紫、ピンク、赤、青、黄、茶、白、オレンジなど)
開花時期主に春~秋(品種により通年)
香り一部の品種には香りがある


栽培環境 / 日当たり・置き場・湿度

春から秋までは、戸外の明るく風通しの良い場所に置きます。
明るいほど開花しやすいと言われますが、日差しの強い時は30%〜50%程度遮光したところに置き葉焼けしないように育てます。

最低気温が15℃を下回る頃室内に取り込み、取り込んだ後も適した環境であれば生育を続けます。
植え込み材料が無く根がむき出しなので、乾燥に気を付けて管理し、水やりした後などは株の中央上部から出ている新葉を蒸れで傷めないように風通しの良い場所に置きます。

バンダとは、バンダの春夏秋冬

光、温度、湿度のポイント

・明るく風通しのよい場所を好む
・直射日光は避けるが、高光量が必要(遮光率30~50%程度)
温度・理想:昼25~30℃、夜15℃以上  
・寒さに弱く、冬は10℃以下にならないよう注意
湿度・60〜80%程度が理想  
・冬季は加湿器や霧吹きで湿度を補うとよい


水の与え方

バンダは葉や根に蓄えた水分を消費しながら成長していきます。
水が不足すると、徐々に葉にシワがより落葉してしまう事もあります。

日本では植え込み材料などを使わない育て方が一般的で、鉢植えの植物のようにいつでも水を吸える環境では無いので、一年中しっかりと水を与える必要があります。(←最も重要

5月〜10月頃は毎日1〜2回ほど、バンダの頭からたっぷりとシャワーします。根だけでなく、葉にもしっかりと水をかけます。

冬も極端に寒い環境に置かない限りは同じように水やりをします。ただし冷水ではなくぬるま湯を使い、根が冷えることによるストレスを与えないように注意します。

上記のシャワーする方法の他に、1日1回、バケツに水を溜め、株元まで浸けたら上からシャワーをかけ30分ほど吸水させる方法もあります。この場合も冬はぬるま湯を使います。
(わたしは全てこの方法で育てています)

バンダとは、バンダの水やり

水やりのポイント

・できれば毎日、根と葉にしっかりと水をかける
・冬はストレスをかけないようぬるま湯を使う


肥料

生育する気候に合っている初夏から秋に週1回ほど、空中に伸びている根に薄めの液体肥料を水やり時にたっぷりとかけます。

不織布などに包んだ固形肥料を株元にぶら下げておく方法もあり、水やりのたびに肥料が溶け出していく効果が期待できます。

室内に取り込んだ後も15℃以上をキープできるようであれば、薄い液肥を与えると成長促進になります。

バンダとは、バンダの肥料

肥料のポイント

・気温が20℃くらいある間は、週1回ほど薄めの液肥をかけるとよく成長する
・寒い時期と真夏の高温期は、肥料はごく控えめにするか休止する

病気と害虫、よくあるトラブル

バンダは頭から水をかけることも多く、害虫はあまり発生しません。
病気も他の植物や蘭に比べると少ないと思います。
蒸れて弱ると病気が出やすくなるので、風通しの良さは通年意識して育てます。

よくあるトラブルと対策

症状原因対策
根が黒くなる水のやりすぎ、通気不足黒くなった根を切り乾かし、環境を見直す
葉に斑点が出る低温やカビ、菌温度管理、殺菌剤使用
花が落ちる環境変化、ストレス徐々に環境を変えて慣らす

           

用土(鉢植え)

バンダは株をそのまま木材やプラスチックのバスケットに入れて、根を空気中にむき出しのまま栽培する方法が一般的です。

植えつけ、 植え替え

株が大きくなりすぎて不安定な場合、バスケット植えの場合は1サイズ大きなバスケットに移し替えます。
植え替えの時期はいつでも大丈夫です。念の為、極端に寒いか暑い時期以外が安全です。

バンダとは、植え方増やし方

ふやし方

バンダは単茎性の蘭なので、基本的に一般家庭で増やすことは難しい植物です。
(単茎性とは葉が上へ上へと伸び大きくなっていくタイプで、脇芽などが出にくく、増やしにくい植物)
ただ、脇芽が出やすい品種だったり、大きく育ったバンダからは脇芽が出ることがあるので、大きく育って根が出てきたら切り分けることはできます。

バンダとは、バンダの育てかた



以上が、家庭における基本的なバンダの育て方になります。
バンダは鮮やかな花色と長い花持ちで、「蘭の王様」とも呼ばれることがあります。
上級者向けと思われがちですが、ポイントを抑えればとても丈夫で育てやすい植物です。

私はごく普通のマンションの部屋とベランダで、温室や加温設備、育成ライトなどを使わずバンダを育てています。(扱いとしては観葉植物と同じです)

上記のポイントを全て押さえた完璧な育て方をしているかというと全くそんな事はなく、もっともっとラフで適当かもしれません。それでも一年中バンダの豪華な花を楽しめています。

このサイトでは特別な設備を使わずに、美しいバンダを気軽に咲かせて楽しむ方法をシェアできたらと思っています。