バンダとは
主な原産地は東南アジアで、オーストラリア北部やインドにも自生している蘭の仲間です。
多くは温度と湿度の高い環境を好み、樹木などに根を絡ませ着生しています。
根は空気に触れていることを好むので、通常は水苔などの植え込み材料を使わずに栽培します。
適した環境では一年を通して育ち続け、不定期で年に数回花を咲かせることもあります。
バンダの寿命は10年以上あり、ゆっくりと付き合える植物です。
バンダというと一般的には紫色が有名ですが、濃いピンクや赤、黄色、茶色、白や、オレンジ、2色に分かれた色合いの花など、バリエーションは豊富です。
園芸店やホームセンターの園芸コーナーに、冬にごく限られた品種が並ぶことはありますが、最近は通販で様々な品種を入手しやすくなりました。
栽培環境・日当たり・置き場
春から秋までは、戸外の明るく風通しの良い場所に置きます。
明るいほど開花しやすいと言われますが、日差しの強い時は30%〜50%程度遮光したところに置き葉焼けしないように育てます。
気温が15℃を下回る頃室内に取り込みます。室内に取り込んだ後も適した環境であれば生育を続けます。
植え込み材料が無く根がむき出しなので、乾燥に気を付けて管理し、水やりした後などは株の中央上部から出ている新葉を蒸れで傷めないように注意します。
水の与え方
バンダは葉や根に蓄えた水分を消費しながら成長していきます。
水が不足すると、徐々に葉にシワがより落葉してしまう事もあります。
日本では植え込み材料などを使わない育て方が一般的で、鉢植えの植物のようにいつでも水を吸える環境では無いので、一年中しっかりと水を与える必要があります。
5月〜10月頃は、朝夕2回ほどバンダの頭からたっぷりとシャワーします。根だけでなく、葉にもしっかりと水をかけます。
冬も極端に寒い環境に置かない限りは同じように水やりをします。ただし冷水ではなくぬるま湯を使い、根が冷やしストレスを与えないように注意します。
上記のシャワーする方法の他に、バケツに水を溜め、株元まで浸けたら上からシャワーをかけ30分ほど吸水させる方法もあります。この場合も冬はぬるま湯を使います。
肥料
生育する気候に合っている初夏から秋に週1回ほど、空中に伸びている根に薄めの液体肥料を水やり時にたっぷりとかけます。
不織布などに包んだ固形肥料を株元にぶら下げておく方法もあり、水やりのたびに肥料が溶け出していく効果が期待できます。
室内に取り込んだ後も15℃以上をキープできるようであれば、薄い液肥を与えると成長促進になります。
病気と害虫
バンダは頭から水をかけることも多く、害虫はあまり発生しません。
病気も他の植物や蘭に比べると少ないと思います。
蒸れて弱ると病気が出やすくなるので、風通しの良さは通年意識して育てます。
用土(鉢植え)
植え込み材料は使いません。株をそのまま木材やプラスチックのバスケットに入れて根を空気中にむき出しのまま栽培する方法が一般的です。
植えつけ、 植え替え
株が大きくなりすぎた場合、バスケット植えの場合は、そのまま1サイズ大きなバスケットに移し替えます。
植え替えの時期はいつでも大丈夫です。
ふやし方
バンダは単茎性の蘭なので、基本的に一般家庭で増やすことは難しい植物です。
単茎性とは葉が上へ上へと伸び大きくなっていくタイプで、脇芽などが出にくく、増やしにくい植物と言えます。
ただ、脇芽が出やすい品種だったり、大きく育ったバンダからは脇芽が出ることがあるので、大きく育って根が出てきたら切り分けることはできます。